将棋ファンなら誰もが思わず注目してしまう先日行われた同級生ライバル対決!
やっぱり羽生先生と森内先生との戦いとなると思わず嬉しくなってしまいますね☺️
現在の2人の対戦成績は羽生先生78勝、森内先生58勝と、羽生先生の方が勝ち越してはいますが、同世代では1番拮抗しているのではないでしょうか。
相掛かり模様で始まったこの一局。羽生先生が工夫を凝らしました。
それでははじめます。
羽生善治 九段 vs. 森内俊之 九段 第92期ヒューリック杯棋聖戦二次予選 棋譜
開始日時:2021/01/28 10:00:00
終了日時:2021/01/28 17:19:00
棋戦:棋聖戦
場所:東京・将棋会館
持ち時間:3時間
消費時間:90▲171△177
手合割:平手
先手:羽生善治 九段
後手:森内俊之 九段
戦型:相掛かり
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲3八銀 △7二銀 ▲1六歩 △1四歩
▲6八玉 △5二玉 ▲7六歩 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3六歩 △9四歩 ▲3七桂 △7六飛
▲8二歩 △9三桂 ▲8一歩成 △同 銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △3六飛 ▲1五歩 △3四歩
▲1四歩 △2三歩 ▲2七飛 △1六歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲1三歩成 △同 香 ▲1四歩 △同 香
▲2四飛 △1七歩成 ▲2二角成 △同 銀 ▲1二角 △2七と ▲2一角成 △3八と ▲同 金 △2三金
▲2五飛 △1九香成 ▲3二馬 △2四歩 ▲1五飛 △1四歩 ▲1九飛 △3一香 ▲2一馬 △3二銀
▲1二馬 △5五角 ▲4六香 △9九角成 ▲7七桂 △3五香 ▲5五桂 △3七飛成 ▲同 金 △同香上成
▲6六歩 △4七成香 ▲3三歩 △同銀左 ▲4三香成 △同 銀 ▲2三馬 △5四銀 ▲4一飛 △4五桂
▲6三桂成 △同 銀 ▲4五飛成 △4二香 ▲4三歩 △同 香 ▲4四歩 △同 香 ▲5五龍 △5四銀
▲投了
まで90手で後手の勝ち
後手:森内俊之 九段
戦型:相掛かり

最近見かけるようになった☗6八玉と☗3六歩のセット。
飯島英治七段や木村一基九段も採用していたこの形。
歩を取らせる代わりに銀を前に出して陣形差で優位になろうという手ですが、後手はすぐに横歩を取ると桂取りに歩を打たれるので、それを緩和するために☖9四歩を端歩をついてから横歩を取ります。
その後、先手には二筋の歩交換から8四飛車を狙う筋を考えられる場面ですが、羽生先生が工夫し、☗8二歩打として8筋方面の陣形を崩してから、今度は1筋を絡めた手で攻めました。
気になる一手

先手は攻めが悩ましく判断が難しい局面が続いています。
それもそのはず。
この羽生先生の攻め筋、序盤に3歩も歩損しながらの攻めになっているからです。
後手は先手の流れを見て受けに回る展開になるのですが、鉄板流と名高い森内先生の受けがとにかく硬い…!
しっかりと受け切ってから、タイミングを見て後手は☖27歩成と攻め合いました。
何気ないこの攻め。思っている以上に厳しく、そして早いんですよね。
後手の飛車が3六にいて、歩がいなく直通しているのもまたキツイ。
対する先手は角の働きが桂取りにはなっているのですが、玉の右辺も広く、攻めが響きにくい状況です。
この後先手の角も飛車も端に追いやられ、森内先生の手厚い差し回しで優位を広げていきました。
そのまま最後まで逆転するチャンスもなく羽生先生の投了となりましたが、だったらどこが良くなかったのか。
これはこの対局では結構難しいのかなと。
流れも自然だったし、明かに悪手というのも感じませんでした。
とすると、序盤のこの形で端攻めをする事自体が無理気味だった可能性が高いのかなと思いました。
やはり3歩損は響いてきますね…
もし手を変えるとしたら73手目の☖3三歩打ではなくて☖4三香成として精算してからの飛車打ちで金か成香かのどちらかを取る順番に踏み切るべきだったか…
それでも逆転は難しいので粘りの手までになってしまいますね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
羽生先生の新発想の端を攻める手を見事に受け止め、先手の飛車と角を追い込んだ森内先生の快勝譜となりました。
手厚い受けは何度見ても勉強になりますね👀
皆さんの参考になれば幸いです。
それではまた。
後手:森内俊之 九段
戦型:相掛かり
コメント