Hasの棋譜巡り。
毎回気になった棋譜を自分の勉強の為にまとめています。
今回は先日公開されたNHK杯について。
矢倉調の序盤から斎藤八段の変わった作戦の将棋でした。
居飛車の急戦が気になる方は気になる一局かと。
それでは始めます☺️
羽生善治 九段 vs. 斎藤慎太郎 八段 第70回NHK杯準々決勝第4局 対局
開始日時:2021/01/08 15:09:00
終了日時:2021/01/08 16:20:00
棋戦:NHK杯
場所:東京・NHK放送センター
持ち時間:10分
手合割:平手
先手:羽生善治 九段
後手:斎藤慎太郎 八段
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀 ▲2六歩 △7四歩 ▲2五歩 △3二金
▲7八金 △6四歩 ▲4八銀 △7三桂 ▲7九角 △8五歩 ▲6八角 △4二銀 ▲6九玉 △3三銀
▲3六歩 △5四歩 ▲3七銀 △6五歩 ▲5六歩 △3一角 ▲3五歩 △同 歩 ▲同 角 △6三銀
▲4六角 △6二金 ▲7九玉 △8一飛 ▲8八玉 △5二玉 ▲5五歩 △同 歩 ▲同 角 △4四銀
▲4六角 △9四歩 ▲9六歩 △8六歩 ▲同 歩 △5四銀 ▲3六銀 △8五歩 ▲2四歩 △同 歩
▲8五歩 △9五歩 ▲同 歩 △5五銀直 ▲5三歩 △同 角 ▲5五角 △同 銀 ▲5四歩 △6四角
▲5三銀 △同 金 ▲同歩成 △同 玉 ▲4五銀 △8五桂 ▲8六歩 △9八歩 ▲5四金 △4二玉
▲6四金 △同 銀 ▲6三角 △7七桂成 ▲同 金 △8七歩 ▲7八玉 △5五角 ▲3八飛 △3七歩
▲5八飛 △5七歩 ▲同 飛 △8二飛 ▲5四角成 △8八歩成 ▲同 玉 △6八銀 ▲3四桂 △4一玉
▲5五飛 △同 銀 ▲6三角 △5二銀 ▲同角成 △同 玉 ▲5三歩 △6一玉 ▲5五馬 △7九角
▲投了
まで100手で後手の勝ち

矢倉の将棋の出だしから、あれれという感じで、後手の斎藤慎太郎八段は珍しい陣形を組みました。
ちょっと急戦調ですが、超急戦になりそうな形は☗6八角と守っているので成立しなかった為、このような陣形になったと思われるのですが、局後の感想戦で、この辺りの形は用意の作戦だったといっていました。
確かに、この後手の陣形はバランスが良いかも知れません🤔
弱点の桂頭を攻められてもすぐに銀で守れますし。居玉なのも、左右に金銀を配置しているのでバランスも良い。
しかも後手の角筋が直通しているので、これもなかなかキツそう。

先手の羽生善治九段は角の効きを使って歩を交換して取りに行きましたがこの手が結果を見るとどうだったか。
この角が標的になってしまい先手の攻めが遅くなってしまったのでこのタイミングで☗3六銀と繰り出して行った方が良かったのかも知れません。

この歩突きが厳しい。本譜は☗同歩と取り、継ぎ歩の筋が出て劣勢が続いたので、☗同銀の方が良かったのか…?
しかし後手の陣形がバランス良すぎて切り崩すのが大変だ…😥
先手は攻めの銀も遅れ、守りの金も寄せられていないので厳しい…
同銀で検討してみたが、陣形を崩されて厳しいのは変わりなしか。

局面が落ち着いたこのタイミングで先手としては☗4五銀とプレッシャーをかけた手でしたが他にもっと良い手がなかったか…
☗7二金はどうかと思ったけど、結局逆転は無理ですかねえ…。
残念ながらこのまま良い所なく、斎藤八段に押し切られました。
今年の斎藤八段の勢いが凄いですね✨
名人戦挑戦も決まりましたし、さらなる良い将棋を指して名勝負を繰り広げて頂けるのを期待しています!
まとめ
斎藤八段の用意の急戦作がハマった一局でした。
陣形も良いし攻めもしやすそうだし、かなり良さそうだな〜とか思いましたが、正直指しこなすのはかなり難しい作戦だと思いました。相手の陣形を見て手を変えないといけないパターンが多そうだからです😅
まとめて見たけどあまり参考に出来ない一局という事がわかりました笑
ただ、角換わりの局面での桂馬の歩の両サイド突き越しは見た事がありましたが、引き角将棋でも成立するとは。
と新しい発見がありました🥰
それではまた次回🙌🏻
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