Hasの棋譜巡り。
今回は棋王戦の第二局。

角換わりから糸谷八段が序盤から工夫してきました!
勉強になる一局となったのでまとめます☕️
将棋を勉強したい方の参考になれば幸いです🙌🏻
それでは始めます。
糸谷哲郎 八段 vs. 渡辺 明 棋王 第46期棋王戦五番勝負 第2局 棋譜
開始日時:2021/02/20 9:00:00
終了日時:2021/02/20 17:06:00
棋戦:棋王戦
場所:石川・北國新聞会館
持ち時間:各4時間
消費時間:90▲206△182
手合割:平手
先手:糸谷哲郎 八段
後手:渡辺 明 棋王
戦型:角換わりその他
▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7六歩 △3二金 ▲7七角 △3四歩 ▲6八銀 △7七角成
▲同 銀 △2二銀 ▲4八銀 △3三銀 ▲1六歩 △6二銀 ▲1五歩 △7四歩 ▲7八金 △7三銀
▲4六歩 △4二玉 ▲3六歩 △6四銀 ▲3七桂 △5二金 ▲5八金 △4四歩 ▲4七銀 △7五歩
▲同 歩 △同 銀 ▲2九飛 △8六歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛
▲4八玉 △1四歩 ▲同 歩 △1七歩 ▲2七銀 △1四香 ▲1六歩 △1八銀 ▲同 香 △1六香
▲1七香 △同香成 ▲3八銀右 △1八成香 ▲2六飛 △6九角 ▲2四歩 △同 歩 ▲8八金 △5八角成
▲同 玉 △1五金 ▲2七飛 △1六金 ▲1二角 △2七金 ▲2一角成 △3八金 ▲同 銀 △2八成香
▲4七銀 △1八飛 ▲1九歩 △同飛成 ▲7四桂 △7九龍 ▲7七銀 △4九銀 ▲4八玉 △7二飛
▲1四角 △3一香 ▲3五歩 △7四飛 ▲3四歩 △同 銀 ▲3三歩 △8八龍 ▲同 銀 △7八飛成
▲投了
まで90手で後手の勝ち
![[棋譜巡り]糸谷哲郎 八段 対 渡辺明 棋王 第46期棋王戦五番勝負 第2局](https://ccafeblog.com/wp-content/uploads/2021/02/FFF139D0-FBFA-4C0F-9F15-8A8BCF8A848E-850x1024.jpeg)
角換わりから始まったこの対局。
先手の糸谷八段は腰掛け銀模様、後手の渡辺棋王は早繰り銀の展開になりました。
糸谷八段の主張としては1筋の歩を突き越している事。
先手の右側が広くなっているので、後々玉の逃げ場ば広くなったり、攻めやすくなったりとメリットもあります。
その代わり、中央の駒の移動が遅くなっているので、後手はその分手早く攻められる早繰り銀を選択した。という事ですね。
正直この展開もタイトル戦で採用するんだ…(*゚∀゚*)
という感じの珍しさを感じてしまいます。
後手の逆襲☖1四歩
![[棋譜巡り]糸谷哲郎 八段 対 渡辺明 棋王 第46期棋王戦五番勝負 第2局](https://ccafeblog.com/wp-content/uploads/2021/02/53526FAF-A57C-46E8-A1C1-D31E5EA6403A-848x1024.jpeg)
綺麗に銀交換になった後、先手は歩の突き越しを生かそうと右玉にしました。
糸谷先生は右玉を良く指されている印象があるので得意戦法でしょう。
先手の陣形はコンパクトにまとまっており、端も広いので先手十分に見えましたが、桂馬を3筋に跳ねてしまっているので、1筋が薄いんですよね。
そこをすかさず☖1四歩と咎めに行きました。
いやあ〜目の付け所がSHARPですわ👀
せっかく2手もかけたのに、これで崩されたら先手は悔しいですね…!!
このまま鋭く渡辺さんが切り崩していきます。
![[棋譜巡り]糸谷哲郎 八段 対 渡辺明 棋王 第46期棋王戦五番勝負 第2局](https://ccafeblog.com/wp-content/uploads/2021/02/24A390DC-9C92-4D1A-819C-B6A87F3D8500-843x1024.jpeg)
この端攻めが見た目以上にキツいですね。
そもそも端歩を突き合っていれば、香車の位置が☖1五香となっていたので、このタイミングで☗1六歩が香車に当たっていたのですが、上手く後手の渡辺先生が利用した形になりました。
ここで二歩使って止めても良いのかもしれませんが、そうすると☖7二飛車などの攻めが歩で止められないのでさらに厳しくなってしまいますね…
なので☗1六歩としましたが、☖1八銀打ちと分かりやすい物量攻めが厳しいですね…😅
単純な攻めに見えて、右玉の近くで戦いを起こせているので分があるという考えでしょうね。
少し難しい手順から飛車が☗2六に移動する展開になりましたが、これでは先手不満です…🥺
同銀とかはどうだったのか…
気になる一手
![[棋譜巡り]糸谷哲郎 八段 対 渡辺明 棋王 第46期棋王戦五番勝負 第2局](https://ccafeblog.com/wp-content/uploads/2021/02/55AB449C-B74C-43AE-8451-C3812427E1E3-850x1024.jpeg)
角金交換になって局面がスッキリとしたタイミングで、後手の渡辺先生は☖1五金打ちとしました。
この局面でしっかりと飛車をいじめられるように金打ちは当然なのかもしれませんが、実際一筋に金を打つのはもったいない感覚もあるのでなかなか指しにくい手なのかなと思いました。
ですが、これで飛車が詰んでいますので金と交換出来るんですよね😳
これで後手はますます優勢に。
決め手級の☖7九竜
![[棋譜巡り]糸谷哲郎 八段 対 渡辺明 棋王 第46期棋王戦五番勝負 第2局](https://ccafeblog.com/wp-content/uploads/2021/02/294C13D6-4CEA-4953-8E4F-DF9B98775D4A-844x1024.jpeg)
先手は最後のチャンスにと、飛車取りに☗7四桂打ちとしましたが、ここで渡辺先生の強い踏み込みの☖7九竜としました。
これが実は詰めろになっていて糸谷先生は飛車を取ることが出来ません😭
飛車を取ってしまうと☖4九銀打ちから詰みとなります。
この辺りの流れは勉強になりますねえ🥰
この後差が埋まることはなく、渡辺棋王の完勝となりました。
まとめ
今回は珍しい角換わりの形に渡辺棋王が機敏に対応し、優勢を気付いたまま勝ち切った一局となりました。
端歩の大切さを改めて感じる局になったと共に、タイミングや形の違いで逆に不利になってしまう事もある事を学べましたね☺️
先手としては作戦がどうだったのか。
端を突き越すなら先手も早繰り銀にすべきだったのか…悩ましいところですね😅
それではまた!
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