Hasの将棋棋譜巡り。
自分の中で良かったと思えるプロの先生の将棋の棋譜をご紹介しています。
むしろ自分の勉強の為という側面も大きいかも知れませんが…笑
読んでくださると嬉しいです🥺
それでははじめます。
今回気になったのはこちら!
木村一基 九段 vs. 船江恒平 六段 第14回朝日杯将棋オープン戦本戦 棋譜
開始日時:2021/01/21 10:00:00
終了日時:2021/01/21 11:14:00
棋戦:朝日杯将棋オープン戦
場所:東京都渋谷区「シャトーアメーバ」
持ち時間:40分
消費時間:47▲31△40
手合割:平手
先手:木村一基 九段
後手:船江恒平 六段
戦型:横歩取り
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △4二玉 ▲2四飛 △8八角成 ▲同 銀 △3三角
▲2一飛成 △8八角成 ▲9五角 △7六飛 ▲7七歩 △8九馬 ▲7六歩 △7八馬 ▲8二歩 △4五桂
▲5八金 △2八歩 ▲8一歩成 △2九歩成 ▲2四桂 △8八馬 ▲7一と △4九金 ▲同 玉 △3九と
▲同 玉 △3七桂成 ▲3二桂成 △同 銀 ▲3一銀 △3三玉 ▲3五飛 △投了
まで47手で先手の勝ち
横歩取りの序盤から、両者激しい展開の将棋になりました。
というのも、木村先生のこの何気ない一手。
これはなかなか見ません。見たときはびっくりしました👀‼️
後手が☖3三角の戦法を取らず、☖4二玉と工夫を凝らしてきた一手に対して指した手ですが、
怖くてなかなか指せません。
というのも後手の飛車先が
直通している状態で角のラインに移動するという大胆な一手。
当然角を交換してから後手は3三角と打ち攻めが成立していないように見えますが…
そこで☗2一飛成!!
「おらワクワクしてきたぞっ!!」
バリの激しい展開になりました。
研究将棋ならいざ知らず、本番で指すのはこれで指せるという対局感があっての事なのでしょうから、両者の主張のぶつかり合いになりました。
当然船江先生も☖8八角成と対抗してきます。
そのまま☗同金☖同飛車の流れは流石に先手が不利な為、このタイミングで☗9五角打としました。
これが用意の切り返しなのでしょう。
これが☗7五角打でも通用しそうですが、9五から打った方が自玉の守りにも効いていて良さそうです。
この手がなかなか味が良くて、☖8五飛と角を取りに行くと☗7七桂が飛車に当たるので良さそう。☖7八馬と金を取りに行くと飛車を抜かれてしまいます。
ですので、☖7六飛くらいで、自然と局面が進んでいきます。
気になる一手
局面が落ち着いたタイミングが何を指すのかが難しい。
正直この一手で勝敗が決まりそうなくらいの状況で、木村先生の指した手は☗8二歩打でした。
☖同銀となれば陣形が少し崩れて利かしになりますし、放置すれば桂馬を取ることが出来る。
実戦は歩を取らず☖4五桂打としましたが、同銀と進行した場合はこんな感じかなと。
もしくはこんな感じ?取っても良かったかも知れませんが、難解な局面が続きますね…
という事で、☖4五桂に対しては☗5八金と体制を立て直しますが、次の☖2八歩打はスルーして、☗8一歩成と攻め合います。
この桂馬を取る事が思いの外厳しく、☗3四桂打により、後手玉がなんと詰めろになっています。
それに気がつかずに
☖3九桂成と詰めろをかけたとしても後手玉は☗3二桂成から詰まされてしまいます。
という事で詰めろを外す為に☖8八馬は仕方なかった訳ですが、先手玉から攻めが遠のき、木村先生はそのまま切れ味良く指し最後は詰み筋に入った局面で船江恒平六段の投了となりました。
投了図以下の流れはこのようになり、綺麗に詰みとなります。
仮に☖5一玉と逃げていても、最初の頃に打った角が効いていて綺麗に詰みとなりますね😊
まとめ
いかがだったでしょうか?
序盤からお互いの将棋感のぶつかる激しい内容でした。
ただ、船江先生の問いかけに木村先生が見事に答える会心譜だったかと思います。
正直木村先生ファンなのでこのブログで紹介出来て勝手に喜んでいます🤔✨笑
一つの将棋を細かく分析してみるのもまた面白いものですね。
皆様の参考になれば幸いです。
それではまた。
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