藤井聡太二冠の☖3一銀を分析 2020年升田幸三賞(特別賞)

2020年の升田幸三賞(特別賞)に藤井聡太王位・棋聖のヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局で指された

△3一銀

が選ばれましたね。

Has

せっかくなので、一将棋ファンとして、どんな手だったのかを振り返ってみたいと思います♪

なかなかに濃い一局だったので、楽しみです😊

それでは始めますね!

目次

渡辺 明 棋聖 vs. 藤井聡太 七段 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 棋譜

開始日時:2020/06/28 9:00:00
終了日時:2020/06/28 18:38:00
棋戦:棋聖戦
場所:東京・将棋会館
持ち時間:各4時間
消費時間:90▲230△235
手合割:平手
先手:渡辺 明 棋聖
後手:藤井聡太 七段
戦型:矢倉

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀 ▲2六歩 △4二銀 ▲2五歩 △3三銀
▲4八銀 △3二金 ▲3六歩 △7四歩 ▲5六歩 △4一玉 ▲5八金右 △5二金 ▲7八金 △3一角
▲6九玉 △4四歩 ▲4六歩 △4三金右 ▲3七桂 △8五歩 ▲6六銀 △7三銀 ▲4七銀 △6四銀
▲4五歩 △同 歩 ▲同 桂 △4四銀 ▲4六銀 △2二角 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩
▲2九飛 △5四金 ▲4九飛 △4二飛 ▲5七銀左 △7三桂 ▲3五歩 △6五桂 ▲6八銀 △4五銀
▲2二角成 △同 金 ▲4五銀 △同 金 ▲4三歩 △同 飛 ▲6六角 △3一銀 ▲7九玉 △4六歩
▲3四歩 △8六歩 ▲同 歩 △8七歩 ▲9六歩 △7五歩 ▲8七金 △7六歩 ▲8八玉 △7五桂
▲7六金 △4七歩成 ▲5九金 △8七歩 ▲9八玉 △5七桂成 ▲7五角 △5四角 ▲7七銀 △7五銀
▲同 金 △6七成桂 ▲6五銀 △同 角 ▲同 金 △7七成桂 ▲同 桂 △7六銀 ▲6一角 △9七銀
▲投了
まで90手で後手の勝ち

最初から流れで見ると新たな発見があるかもですね♪

急戦矢倉戦へ

先手の渡辺明棋聖は矢倉戦の序盤から急戦矢倉を選択しました。

後手の藤井聡太七段(当時)は5筋の歩を突かないという工夫を見せています。

これは先手の急戦矢倉を警戒してという事で、本来だと、後手の角筋が通らないので突いておきたい所なのですがそうすると、先手の足掛かりになってしまうんですよねえ…一長一短があります。

今回歩を突かなかったのは藤井七段の工夫という事ですね。

この場面だけ見ると、先手の攻めの陣形はバランスもよく、玉周りは薄いが綺麗にまとまっている。

対して後手は矢倉の囲いは出来ているが、玉が入場出来ていない。角筋が止まったまま。

という風に見えるので、先手十分なのかな?とも思いましたが、実際は互角です。

渡辺 明 棋聖 vs. 藤井聡太 七段 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 棋譜

桂馬の跳ねと銀上がりはセットだと思いますが、このタイミングで☖2二角としました。

5筋の歩を突かない執念を感じます笑

これには飛車先の歩を交換出来るので、行った上で玉が露出しているので、☗2九飛車と引きました。

この後の展開に、当時見た時は驚きました…!

力強い☖5四金

渡辺 明 棋聖 vs. 藤井聡太 七段 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 棋譜

先手の急戦作に対し、後手の金銀がどんどん前に笑

いやあ〜普通は玉の周りにいる金をこんなに繰り出す展開にはならないと思うのです😅

☖3一銀と並び、この☖5四金もかなり評価されるべき手かなと思っています。

今まで突かなかった5筋の歩が残っていたからこそ出来た手になっています。

でも実際指されてみると成る程…という手ですよね。

このままだと、桂馬と銀を食いやぶやれそうなので、☗4九飛車とするも、自然と☖4二飛車と玉が硬くなりました。

そして☖7三桂として、自然と駒が捌けて来ています👀

渡辺 明 棋聖 vs. 藤井聡太 七段 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 棋譜

☖6五桂馬に対して、☗6八銀とカニ囲いにした局面。

後手は次に☗6六歩と桂取りを見せられると困ってしまう為このタイミングで攻め合うしかなさそう…

ですので、自然に☖4五銀☗2二角成☖同金☗4五銀☖同金としました。

ここまでは一直線ですね!

そこでよく見えているな〜と感心してしまう手筋の☗4三歩打としました。

渡辺 明 棋聖 vs. 藤井聡太 七段 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 棋譜

これは横に逃げてしまうと☗4五飛車と金を取られる上に玉頭に歩を残すので勝てないです。

ですので、☖同飛車の一手。

そこで狙いの☗6五角打ですね。先程の歩打ちの効果で金が浮いています。

さてその局面で後手がどうするか…悩ましい局面で、藤井七段の次の手が今回の升田幸三賞(特別賞)に選ばれました。

2020年の升田幸三賞(特別賞)藤井聡太 七段 ☖3一銀打

渡辺 明 棋聖 vs. 藤井聡太 七段 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 棋譜

この一見ぼやっとして見える☖3一銀打が今回の大賞です。

最初に見た時はえっ?そこに!?という印象でした。

改めて検討してみましょう👀

ここで無難に☖3二玉などとすると☗4四歩から☗5二銀打などで先手の方が模様が良さそうです。

ですから、選択肢としては

攻め合いの①☖4六桂打

バランス重視の②☖3二金打

の大体2択かな〜という所ですが、

第3の選択肢☖3一銀としました。

渡辺 明 棋聖 vs. 藤井聡太 七段 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 棋譜
KENTOより引用

分析してみても、☖3一銀は候補手の中でも3番目で、金を守っていて王には微妙に効いている様な感じなので少し捻った印象なのですが…実際、対局者の渡辺明棋聖もブログで次の様に語っていました。

△31銀は全く浮かんでいませんでしたが、受け一方の手なので、他の手が上手くいかないから選んだ手なんだろうというのが第一感でした。50分、58分、29分、23分という時間の使い方と△31銀という手の感触からは先手がいいだろう、と。

5分くらい眺めたところでは▲79玉で互角はある、▲25銀で決まってたりしないかな、と思ってましたが、読み進めていくうちに▲79玉△46歩は少し悪いのか、▲25銀は△46桂で負けだ、となって28分考えて▲79玉とした時点では「形勢は悪いけど持ち時間の差でひと勝負」という気持ちでした。

渡辺明ブログより引用

つまり、指されてみたら良さがすぐにはわかりにくいが、分析してみると既に先手の方が厳しいだろうと感じる局面になっていたという事ですね👀

銀を打った事で玉の左辺は安定していて、右辺は逃げ道も広いです。

仮に☗8四角と出てきて挟撃体制を狙われても☖7三桂打があるので耐えられますね。

①☖4六桂打の場合

こんなイメージでしょうか。これはこれで指せる気もします。

②☖3二金打の場合

これは流れによっては先手が優勢の局面もありそうですね。

となると、やっぱり☖3一銀打の本譜の安定感が際立ってますね…恐るべし🙄

この後の局面について

☗7九玉としましたが、これには☖4六歩打として飛車を押さえ込みました。

ここで、☗3四歩としましたが結局この歩突きが活躍する局面にはならなかったので他の手の方が良かったのかもしれません。

例えば先に☗8四角とすると後に狙われた9筋の桂打ちの筋がなくなります。

その場合は☖8六歩や☖3六角打とされてどうかですかね〜🤔

唯一の勝ち筋だった?このタイミングで☗7五金はありだったかも

渡辺 明 棋聖 vs. 藤井聡太 七段 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 棋譜

Has的に分析し、この後の進行で唯一勝ち筋がありそうだったのは☖4七歩成対して☗5九金と我慢するのではなく、

☗7五金と桂馬を食いちぎる手です。

これに対して☖5八とと金を取ってしまうと、☗3五桂打の勝負手が発生し、良い展開が続きます。

ですので、後手は☖同銀と取るくらいですが…

意外と☗5五桂打が厳しく入るので、AIをフルに読み込ませてなんとか細ーい勝ち筋があったのかも知れません😳

でも、この流れは人間には指せないですね…😂

まさにカヲル君の台詞がぴったり。

希望は残っているよ。どんな時にもね

角筋の効きってやっぱり厳しいですね…

渡辺 明 棋聖 vs. 藤井聡太 七段 第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第2局 棋譜

☖7五桂が厳しかったので、角で取った場面なのですが、普通に☖7五銀と角を取れる局面で藤井七段は取りませんでした😳

代わりに☖5四角打ち!

これが厳しい…

金が浮いていますし、間接的に玉を睨んでいます。この辺りでも緩みなく指せる所が藤井七段の強さですね。

この後は綺麗に追い込んで藤井七段の勝ちとなりました。

まとめ

いやあ〜一局を通してみると、急戦矢倉に対して5筋を突かない工夫、☖5四金、☖3一銀、☖5四角など見所の多い将棋でしたね🥰

最後までみると、やはり☖3一銀が後手玉を安定させ攻めに集中出来た好手という事がひしひしと感じられます。

お見事でした✨

2020年度の中で、藤井二冠(現在)のベスト局はやはり松尾八段とのB級1組の順位戦でしょうか。

あれは痺れましたね〜🙄

ご興味があればこちらもどうぞ!

今年の活躍も楽しみです♪

それではまた🙌🏻

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