藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説

いやあ〜この対局。

初めて見た時は凄い衝撃でした…

一瞬で局面がまるで違うものに感じてしまうくらいのインパクトと急展開。

将棋の面白さが凝縮された一局かと思います🥰

それでは始めますね。

目次

藤井聡太 王位・棋聖 vs. 松尾 歩 八段 第34期竜王戦2組ランキング戦 棋譜

開始日時:2021/03/23 10:00:00
終了日時:2021/03/23 21:48:00
棋戦:竜王戦
場所:東京・将棋会館
持ち時間:5時間
消費時間:75▲289△299
手合割:平手
先手:藤井聡太 王位・棋聖
後手:松尾 歩 八段
戦型:横歩取り

▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲5八玉 △5二玉 ▲3六歩 △4二銀
▲3七桂 △2三金 ▲3五飛 △5一金 ▲3八銀 △8四飛 ▲2五飛 △2四金 ▲2九飛 △8八角成
▲同 銀 △3三桂 ▲4六角 △3五歩 ▲2五歩 △3六歩 ▲2四歩 △3七歩成 ▲同 銀 △4五桂
▲4八銀 △2八歩 ▲同 飛 △3六桂 ▲2五飛 △4八桂成 ▲同 金 △3六銀 ▲3五飛 △4四角
▲3四飛 △3七桂成 ▲同 金 △同銀不成 ▲同 角 △8八角成 ▲4一銀 △同 金 ▲8四飛 △7八馬
▲7五桂 △5一金 ▲6三桂成 △同 玉 ▲6六飛 △6五歩 ▲同 飛 △5二玉 ▲6四桂 △6三玉
▲8一飛成 △6八金 ▲4九玉 △2七銀 ▲7五桂 △投了
まで75手で先手の勝ち

藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説
KENTOより引用
藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説

この対局は横歩取りから先手の藤井二冠が青野流を採用しました。

先日のタイトル戦でも渡辺明棋王が使用されましたね✨

最近も流行が続き、対策が必須になっている作戦ですが、☖4二銀と玉近くに上がり、玉頭に桂馬が跳ねられても守りに効く用にしてから☖2三金と、金で飛車にプレッシャーをかけるという対策を選択しました。

あまり見かけない対策の気がしますが、調べてみると、

松尾 歩 八段 vs. 屋敷伸之 九段 第79期順位戦B級1組10回戦

で採用されていた形らしい👀

しかも結果は後手の屋敷九段の勝ち。

つまり指されて見た結果有効な対策だと感じて、自身も採用したという事だろう。

それを藤井二冠にぶつけるとは、松尾八段も全力投球ですね⚾️

しかし、よくよくみると、8筋の飛車を4段目に引き、金で相手の飛車を攻めながらもちゃんと自陣の飛車で効きを守っているのでとても理にかなっている対策だと感じました🤔

この場合、飛車は1番下まで引くのが良い形なのでしょうか?

まあ、銀の効きもあるし、守りにも効きそうだから1番下が無難か。

正直桂頭を守る☗2六飛車もありそうな気もします。

ちなみに前例も1番下まで引いていました。

好位置の☗4六角打

藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説

前例ではここで☗2五歩打として☖5六飛車に☗6五角打としましたが、その後、右の浮いた桂頭を攻められ劣勢になりました。

全局を藤井二冠が把握していたのかは不明ですが、このタイミングで☗4六角打としました。

この手は弱点の桂頭を守ると共に金取りを見せたり玉頭も守っていたりと、かなりの好位置に感じました☺️

藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説
KENTOより引用

分析を入れても最善手でした。流石の一言です✨

この角打ちがあっても弱点の桂頭を狙って☖3五歩打ちとしましたが

実際にここは☖2五歩打と飛車先を止める手も有効だったようです。

☖2五歩打の場合の検討

自分の感覚としては、本譜の方が勢いがあってこちらを指したいので自然かな〜と思っちゃいました。

形勢もほぼ互角だし。

この後は一本道で、☖2八歩打ちまで進みます。

両取りを許容した☖2八同飛車

藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説

さて、この局面を見て、自分ならどうしますか?

取ると☖3六桂打ちの両取りが見えているので結構迷いますね…

取るか逃げるかの二択になっていますが、藤井二冠は同飛車を選択しました。

これは☗3九飛車をすると☖3七歩打とされて、次に☖2七桂打から飛車が取られてしまいます。

ですので、同飛車の選択だったと思います。

あれ?いつの間に…

藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説

先程手に入れた銀をすぐに投入し、飛車に当て、銀の効きで桂馬も守っています。

なかなかに鋭い手ですね👀

普通はここで☗2九飛くらいですが、引くと負けだと感じたのでしょうか。

すっと☗3五飛としました…!

銀取りになっているし、後手の攻めを催促しているような誘いです。

ですが、これには☖4五角が成立し、後手の飛車先突破が見えるので指しにくい所なのですが…

やはり☖4五角としました。

そこで

藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説

☗3四飛車👀‼️

指されてみればなるほどなのだが、なかなかすぐには見えない😅

☖8八角成なら、飛車を抜いてどうかという手です。

とりあえず、銀を取る手も考えてみたいですが、検討してもやはり3四飛車の方が良さそうでした。

☗3六飛の検討

さて、この飛車浮きを指されてみるとかなり困りましたね…私もすごく考えましたが、そのまま☖8八角成☗8四飛☖7八馬としても☗6八金打が硬くて難しそうです…😥

すぐ角成は金打が硬く厳しい

ですので、本譜は☖3七桂成☗同金☖同銀☗同角と先に玉の右側を崩してから先程と同じ流れにした際に、金打されても今度は銀を持っているので、☖4九銀打が出来、攻めが繋がります。

いやあ〜よく捻り出しました😂

しかし、実践はそうはならなかったのです。

藤井二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打]

ここから藤井二冠の領域展開が炸裂します笑

なんと☖8八角成に対して、☗8四飛と飛車を取るのではなく、このタイミングで

☗4一銀打😂

藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説

これは…五条先生並みの強さですわ…

生き物としての格が違う😂!笑

いやあ〜考えもしませんでした😅

王手なので手抜く事は出来ません。選択肢としては

  1. ☖同玉
  2. ☖同金
  3. ☖6一玉
  4. ☖6二玉

の四択になります。

1.同玉の場合

同玉の場合は☗3二金打として、玉が逃げると、そのタイミングで飛車を取ります。

その後、流れで精算をしてからの、☗3四桂打が厳しく先手優勢。

これが詰めろになっており、受けるしかないのですが受けると先手の玉を追い詰められなくなるので逆転は難しそうです。

☗3四桂の詰めろの流れ

2.同金の場合

本譜は同金でした。お話は後ほど。

3.☖6一玉の場合

☗8四飛車と取り、☖7八馬としても、次の☗8一飛成が厳しく先手優勢。

この局面が☗7二金打ちからの詰めろになっているので受けるしかありませんが、そこで竜取りに☖7二銀打ちと受けても

詰んでしまいます…なので☖7二金打ちしかないのですが、次の☗8四桂打ちが厳しく結局先手勝勢です。

☖7二銀打は詰みの流れ

4.☖6二玉の場合

この場合も☗8二飛成とした手が☗7二金打矢☗7四桂打からの詰めろになっており、先手優勢です。

以上のような理由から、1番望みのありそうな☖同金となるのですが、

☗8四飛、☖7八馬と取り合った局面からの見えにくい☗7五桂打が詰めろになっています🙄

藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説

はあ〜何度調べても凄い…

この辺りの変化は一通り読んだ上での先程の☗4一銀打という事になりますが、この銀打ちの一手により後手は逆転するのに

どうしても後一手が欲しいという局面に変わってしまいました。

つまり逆転するには藤井二冠の緩んだミスの一手が必要です。

そこで全く緩まないのがさらに凄いのですが…笑

先手玉だって薄いので☖3八金打などと出来ればチャンスはあるのですが、その一手がなかなか来ないんです😥

☖5一金の局面

先程の局面から、☖5一金としました。これは玉の逃げ道を確保すると共に、駒を温存し逆転の可能性に賭けた一手ですが、

分析してみると、この手が敗着かなと思います。

角の道も通ってますし、本局の流れをみると開けた金の逃げ道の方へ行く余裕もなかったので😥

正着は☖8二銀と投入し、☗6三桂成☖同銀☗7五桂打☖6二歩打と手順に守りを固めた方が良かったみたいです。

その後の流れも鋭く、☗6三桂成には同玉が1番持ちそう。下に逃げると☗2三歩成で挟撃大勢。

藤井聡太二冠の領域展開[無量空処の☗4一銀打] 松尾歩八段との棋譜解説

そしてこの飛車打ちが厳しい😱

玉の逃げ場がほとんどない。そして自玉の守りにも効いています。なんと手堅い…

最後は☗8一飛成と手順に桂馬を入手し詰めろをかけました。

自玉も詰めろをかけられましたが、後手玉に詰みがある為、☗7五桂打にて投了となりました。

投了図以下

まとめ

横歩取りからの青野流の本領発揮といった流れでしょうか。

途中までほぼ互角だったはずなのですが、藤井二冠の鋭い感性で一気に形勢が傾く興味深い一局でした👀✨

個人的には☗4一銀打が凄い!!と世間で言われていましたが、

銀を取れるタイミングでの☗3四飛車が見えているようがよほど凄いのではないかなと思っています😂

あの手が見えていたらそもそも松尾先生も角を打っていないからです。

あの展開に誘われてしまった。

という表現が正しいのかも知れませんね🤔なんと恐ろしい…笑

まあ、でもわかりやすい凄さは圧倒的に☗4一銀打なので、タイトルもそちらにしました♪

将棋の世界でも領域展開のような状態になり、藤井ワールドに

視聴者みんな引き込まれてしまいましたね🥰

今後の活躍も楽しみです✨

そして今年は2回のタイトル防衛戦があるので、どうなるか今からワクワクしています♪

それではまた🙌🏻

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