Hasの棋譜巡り。
自分の棋力向上の為にも日々気になった将棋を振り返っています。
今回は朝日杯の決勝戦。
藤井聡太二冠と三浦弘行九段との一局。
これだけ見応えのある将棋が指せるお二人の素晴らしさをしっかりと感じられる一局となりましたので
まとめていきます。
藤井聡太 二冠 vs. 三浦弘行 九段 第14回朝日杯将棋オープン戦 決勝 棋譜
開始日時:2021/02/11 14:00:00
終了日時:2021/02/11 16:04:00
棋戦:朝日杯将棋オープン戦
場所:東京・有楽町朝日ホール
持ち時間:40分
消費時間:101▲40△40
手合割:平手
先手:藤井聡太 二冠
後手:三浦弘行 九段
戦型:横歩取り
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △4一玉 ▲2四飛 △8八角成 ▲同 銀 △3三角
▲2八飛 △2七歩 ▲5八飛 △7四歩 ▲5六歩 △6二銀 ▲8七歩 △8五飛 ▲3八金 △5一金
▲2七金 △7三桂 ▲3六金 △5四歩 ▲2八飛 △2二銀 ▲4八銀 △7五歩 ▲4六金 △7六歩
▲3六歩 △6五桂 ▲3七桂 △2六歩 ▲5五歩 △3八歩 ▲6八玉 △5五歩 ▲6六歩 △5六歩
▲同 金 △7七歩成 ▲同 銀 △同桂成 ▲同 桂 △8四飛 ▲4五桂 △2四角 ▲3五桂 △3三桂
▲5二歩 △同 金 ▲5三歩 △5一金 ▲2三歩 △3一銀 ▲6五桂 △4五桂 ▲同 金 △5六桂
▲5七玉 △4八桂成 ▲5四桂 △3三金 ▲2六飛 △5六歩 ▲4六玉 △4四歩 ▲2四飛 △4五歩
▲5六玉 △5五金 ▲同 玉 △4四銀 ▲同 飛 △同 金 ▲同 玉 △3三銀 ▲同 玉 △5四飛
▲4四銀 △3二銀 ▲3四玉 △4二桂 ▲2五玉 △2九飛 ▲1六玉 △2一歩 ▲3三銀 △4四飛
▲3一金 △投了
まで101手で先手の勝ち
横歩取りから始まったこの対局。
三浦九段の一手にビックリ‼(•’╻’• ۶)۶
![[棋譜巡り]藤井聡太 二冠 対 三浦弘行 九段 第14回朝日杯将棋オープン戦 決勝](https://ccafeblog.com/wp-content/uploads/2021/02/A2618870-8AEA-4C29-8434-8D156962AB9B-847x1024.jpeg)
最近は皆さん☖3三角戦法に飽きちゃったのかな…?
と思っちゃうくらい変化球が増えて来ましたね😁
見ているこちらがドキドキする☖4一玉!
これは準備をしっかりしていないとなかなか指せない手で激しい順番でもどんとこいやーの手です。
ちなみにこの手の意味は☗2四飛☖8八角成☗同銀☖3三角打とした時に☗2一飛車成と強く踏み込まれた時に耐える大切な一手になる。
ですがそもそも☖4一玉をあまり見ないので、この大一番で採用した事で今後も見られる機会が増えそうですね☺️
今回は☖2八飛車と引いたので☖2七歩までが手筋ですね。
![[棋譜巡り]藤井聡太 二冠 対 三浦弘行 九段 第14回朝日杯将棋オープン戦 決勝](https://ccafeblog.com/wp-content/uploads/2021/02/1A166B05-2536-419E-AC33-8309377426DF-842x1024.jpeg)
この☖2七歩を同飛車と取ると☖8八角成の強襲が成立してしまうので取ることは出来ません。
☗5八飛車くらいですね。
この作戦思っていたよりも良さそうだな〜👀✨今度指してみます笑
ちなみに☖4一玉ではなくて、☖4二玉とした将棋で☗2一飛車成と強く踏み込んだ将棋が先日木村先生が朝日杯で指していたので、そちらも参考にしているのでしょう。

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いやあ〜後手の☖4一玉型を十二分に生かした中原囲い。
なんだか久しぶりに見た気がします。最近は中住まいの将棋が増えバランス重視の将棋が増えたので見なくなったのかな?
この囲いは形が美しいですねえ〜☺️
そして、右からでも左からでもそれなりに硬いという特徴もあります。
そして、後手の三浦九段は桂馬も跳ねていて攻撃力もある。
綺麗な形に組みました。
この後、先手の藤井二冠は2筋に飛車を振り直しているので手損ですし、余計に☗5六歩とついているので
ちょっと先手の作戦負けな感じですね🧐
![[棋譜巡り]藤井聡太 二冠 対 三浦弘行 九段 第14回朝日杯将棋オープン戦 決勝](https://ccafeblog.com/wp-content/uploads/2021/02/785DEF29-6D1E-4421-987A-8DA0F7A3541A-848x1024.jpeg)
☗6五歩とついたのを見て☖5六歩はいかにもプロらしい手で、自分なら☖7七歩成から精算する順を選んでしまいそうですが、これで桂馬を取ると角切りからの☖5七銀打ちや、単に飛車が回ってくる筋もあって桂馬は撮りにくいので☗5六金としています。
そしてその後桂馬の交換を選びそうな所を銀と交換して、飛車を追い返す手を選ぶ辺りは独特の指し回しですよねえ〜。玉こんなに薄くて大丈夫なのか…
気になる一手
結果的に、☖5六桂打ちの王手銀取りのあたりから玉がひらひらと上に逃げる展開になってしまい詰ませきれなかったので
☖3三桂馬と跳ねずに、先手玉側に攻める手を指した方が良かったのかもしれない。
例えば、☖2七銀打ち
もしくは☖7六歩打ちなど。どちらかというと歩打ちの方が良さそうか。
☗5四桂打ちが詰めろ
この☗5四桂打ちが詰めろになっていたのがキツい🥲
バラして歩打ちから詰んでしまいます。なので☖3三金として逃げ道を作りましたがまだまだ難しい局面が続く…
絶妙手☗4四銀打
なぜ1分将棋の状況でこのような手をさせるのでしょうか…?凄すぎる…
三浦九段もここは☖5二銀打ちから後手が余していそうと考えていたとの事でしたが、この手はなかなか見えません…
この手がほぼ決め手になり、先手玉は詰まず、後手は物量で押して詰みに持って行くことができました。
投了の☗3一金打ち以下は同玉に☗2二角打ちから詰みになります。
まとめ
三浦九段の用意してきた作戦が優秀で、序盤から劣勢になった藤井聡太二冠でしたが、勝負勝負の攻め手によって混戦に成り、判断の難しい局面の連続になりました。
お互い1分将棋の中で細い筋を見逃さなかった藤井二冠の渾身の一局になった決勝戦でとても見応えがありましたね😊
敗れはしましたが、三浦九段の指した後手4一玉型と中原囲いは流行りそうですね〜✨
今後に期待です♪
準決勝、決勝と見事な将棋を指した藤井二冠は天晴ですね🥰
面白い将棋をありがとうございました。
Youtubeでは決勝戦での控室の検討の様子を見る事が出来ます。
こんなに贅沢なメンバーでの検討シーンは中々見れないので、興味深いですね!
Amebaの方では広瀬先生が初手から解説をして頂けています。
こちらも参考になりますね!!
それではまた🙌🏻
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